神さまが語る本当の病気のこと②~オンライン専門整体・治療院トゥルーヴォイスミー~

茶の間

第2章【茶の間】

声に驚いて振り返ると、白いローブを着た老人が立っていた。

真っ白で長い髪、胸まで伸びた白い髭、持っている杖は上の方が膨らんでいて何から何まで漫画に出てくるベタな神さまみたいだった。

「さよう、ワシは神さまじゃ」

と老人。

まるでオレの考えを読んだかのようなセリフに驚いたが、言い方までがベタすぎてオレは少し笑ってしまった。

老人の言葉を信じるつもりはもちろんない。しかし笑えたおかげで気分が明るくなったオレは、もう少しだけこの老人に付き合ってやろうと思って言った。

「ふっ、そうですか、カ・ミ・サ・マ。もしかしてオレは天国に来ちゃったのかな?」

オレが言うと、

「いや、お前さんに天国はまだ早い。ちょっと見せたいものがあるからついてきなさい」

そう言って老人はオレを促した。

 

普通の精神状態だったならこんな”自称神さま”について行くことなんて考えられないのだが、その時オレはそうすることが良いような気がしてついて行くことにした。

ふと気が付くとオレは誰かの家の茶の間にいた。

6畳くらいの畳の部屋で、隅にはテレビを乗せたタンス、中央の丸いちゃぶ台にはお茶とおかきが用意されていた。

こんなお茶の間は最近はめったに見ないが、オレは遠い親戚の家に来た時のような懐かしさを感じた。

まあでも神さまの家にしては普通すぎるな、、などと考えていた時、オレは急にノドが渇いていることに気づき

「いただきます」

と勧められてもいない目の前の茶を飲んだ。

すると妙に気分が落ち着いた。神さまは優しい目をしてそんなオレの様子を見ていたが、

「ところでお前さん、病気になって助かったのう」

と言った。目は優しいままだ。

「え?」

神さまのセリフが胸に刺さるとともにオレの中に疑問が湧いた。

 

というのも先週オレは医者から糖尿病と診断されたばかりだったのだ。なんだそれくらい、と思われるかも知れないがオレはたいてい年齢より若くみられるし、自分なりに健康にも気を遣っていたつもりだったから、医者から病名を告げられた時は結構ショックだったのだ。

しかし”助かった”とはどういうことなのだろう?

「おじ、、いや神さま。なぜオレが糖尿病だってことをあなたが知っているんです?いやそれよりも”助かった”っていうのはオカシイでしょう?」

オレは自分で思っていた以上にイライラした気持ちが声に出してしまい、自分で自分に少し驚いた。

「いや、すまんすまん。これを見てもらってから言わんとイカンのじゃったな」

 

神さまはそう言うと慣れた手つきでちゃぶ台の上にあったリモコンを操作し、テレビの電源を入れた。

タンスの脇には神様の杖が立てかけてあった。

 

第3章につづく。

 

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