誰かが始めなくてはならない。他の人が協力的で なくても関係ない。あなたが始めるべきだ

【誰かが始めなくてはならない。他の人が協力的で
なくても関係ない。あなたが始めるべきだ】

アドラー以前の心理学では、子どものような理論展開
が見られます。

「相手の利益を大切にする」

と言っても、幼稚で浅はかな思考しかなければ、

「なぜ相手の利益を考えなければならないのか？
相手が私に何かしてくれたのか？」

という思考回路になります。

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芥川龍之介の短編小説、『蜘蛛の糸』。

お釈迦さまが垂らしてくれた蜘蛛の糸。
地獄で苦しんでいた罪人カンダタは、
これ幸いとその糸をよじ登ります。

高みから見下ろすと、他の罪人までもがその
蜘蛛の糸をよじ登ってきています。

カンダタが自分一人で助かろうとした瞬間に
蜘蛛の糸は無情にも切れますが、
この時カンダタが広い心で

「よし、お前らも一緒にここを出よう！
気を付けて続いて来いよ！」

と言ったならどうだったでしょうか？

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見返りを求める心に際限がないことを、
アドラーはよく知っていました。

西洋では、キリスト教の影響も大きいのかも
しれません。

見返り、他人からの評価を無視して
自分が信じる善行を勧めています。

”誰かが始めなくてはならない。
見返りが一切なくても、誰も認めてくれなくても、
「あなたから」始めるのだ。”

そうアドラーは説いています。

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お読みいただき、ありがとうございました。

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